
ターポリンってどんな生地?横断幕を検討中のあなたへ
2023年02月26日
初めて、横断幕や懸垂幕を作る方にとって、生地選びはとても悩むポイントだと思います。その中で、
ターポリンという生地を色んなサイトで見かけるけれど、『質感』『発色』『メリット/デメリット』が知りたい!
という方は多いのではないでしょうか。
この記事では、ターポリンがどのような生地で、どんな場面に使われて(向いて)いるのか。耐久性はどのくらいかといった疑問にお答えしていきます。
読み終える頃には、ターポリンのイメージが膨らんでいることと思います。「それでもイメージが湧かない」という方への解決策もご用意しているので、ぜひ最後までご覧ください。
ターポリンの特徴
ターポリンとはポリエステル100%の繊維を合成樹脂(ポリ塩化ビニル)でコーティングしたビニール系素材です。当店の13種類の生地の中で最も耐久性に優れ、防水性も高いことから、屋外の横断幕や懸垂幕、現場シートに適しています。他には、食品系の催事や展示会で使うテーブルクロスとしてもお勧めです。
肌触り/質感
ザラザラとした化繊生地と違い、ターポリンはビニール特有のツルっとした質感が特徴の一つ。身近で連想しやすいところで言うと、テントをイメージすると分かりやすいでしょう。
最近は防水性に富んだメッセンジャーバッグやショルダーバッグにターポリンが使われることも増えています。

発色
ターポリンの印刷方法は、UVインクを直接吹きかけるインクジェットプリント(印刷と同時に紫外線を照射することによって、瞬間的にインクを硬化させる方法)です。そのためインクの乾きがはやく、マットな仕上がりが実現できます。発色が鮮やかで、イラストはもちろん、写真も綺麗に印刷できます。
ターポリンの種類
当社で扱っておりますターポリンは3種類です。これらを用途によって、使い分けることをお薦めしています。
ターポリン

耐久性バツグンのビニール素材で、色褪せしにくく、長期の常設にお勧め。ターポリンの中で最もポピュラーな素材で、汎用性が高いのが特徴。
質量:510g/u
厚み:0.4mm
用途:店頭の垂れ幕/学校の横断幕/養生幕(現場シート)など
例)横幅3000mm×縦1000mmの横断幕では、約1.5kgの重さがあります。
3(m)×1(m)=3(u)
3(u)×510(g/u)=1530g。
メッシュターポリン

風除けの穴が無数に開いたメッシュ状の素材。軽量で扱いやすく、風の強い場所にお薦めです。風が抜けるため、バタバタとうるさい音もしません。その反面、ターポリンよりも少し文字が見えにくいです。
質量:260g/u
厚み:0.34mm
用途:屋外の大型広告/養生幕など
例)横幅3000mm×縦1000mmの横断幕では、約0.78kgの重さ。通常のターポリンの約半分程度の重さで製作できます。
3(m)×1(m)=3(u)
3(u)×260(g/u)=780g。
遮光ターポリン

生地の質感や見た目は、基本のターポリンとほぼ同じ。違いは、中層に黒い生地をサンドしている点です。それにより遮光性が高いので、両面に違う柄を印刷することができます。
質量:610g/u
厚み:0.48mm
用途:ショッピングモールや街中などの垂れ幕
例)横幅3000mm×縦1000mmの横断幕では、約1.83kgの重さ。遮光材をサンドしている分、他2種類よりも重みがあります。
3(m)×1(m)=3(u)
3(u)×610(g/u)=1830g。
ターポリンとポリエステル生地の違い
ターポリンと同じく、屋外用の横断幕で推奨している生地にトロマットがあります。トロマットはポリエステル100%の化学繊維素材で、ザラザラとした質感が特徴です。
ポリエステル素材のトロマットと比較した際、ターポリンが優れているのはどんな点でしょうか。ここからは、ターポリンのメリット/デメリットを解説していきます。
メリット
耐久性が高い
ターポリンのメリットとして、その耐久性の高さが挙げられます。環境にもよりますが、ターポリンの耐用年数は約3年。トロマットを屋外に常設しておくと、1年以内に破れてしまいますから、ターポリンの方が3倍近く長持ちします。「ではその分高価なのでは?」と思われた方もいらっしゃるでしょう。確かにターポリンの方が価格は高いですが、1割程度しか変わりません。

金額は1割しか変わらないにもかかわらず、約3倍長く使えるわけですから、ターポリンはコストパフォーマンスに優れた生地と言えます。
防水機能
ターポリンはビニール素材ですから、傘のように水を弾いてくれます。その防水性が評価され、先に紹介したメッセンジャーバッグやキャンプ用品にもターポリンが使われています。一方のトロマットはポリエステル素材のため、水に濡れると色が変わったり、重くなってしまいます。水を含んだ状態でバタバタと靡くと、生地が痛んだり、破れに繋がってしまいます。
これにより、前項でお伝えした通り、耐用年数に約3倍の差が生まれるのです。
もしターポリンが水で濡れたり汚れた場合は、タオルや雑巾で優しく拭き取りましょう。アルコールはインクが落ちてしまう可能性があるので、使用しないでください。

防炎素材
消防法において、不特定多数の人が出入りする建物や施設では、防炎加工が施された製品の使用が義務付けられています(デパートや地下街、高層ビル、イベント会場などが該当)。トロマットは、オプションで防炎加工を施すことが可能です。当社の場合は、先防炎と言って防炎加工が施された生地に印刷するため、納期は伸びませんが、追加費用が掛かります。
一方のターポリンは、標準で防炎加工を施しています。納期だけでなく、追加費用がないのも魅力の一つでしょう。
※法令により防炎シールをご希望の場合は、購入時にお申し付けください。別途100円(税抜)で販売しております。

生地幅が大きい
トロマットの生地幅は1760mmで、それを超える場合は布を繋ぎ合わせて製作します。その場合は、製品にこのような継ぎ目が入ります。
一方、ターポリンの生地幅は4500mm(遮光ターポリンは3000mm)です。
印刷機はロール状になっており、長辺に制限はありませんから、短辺が生地幅を超えない限り、1枚もので製作することができます。
例1)横幅1800mm×縦3600mmの垂れ幕の場合
長辺=3600mm、短辺=1800mmのため1枚の生地で製作可。
例2)横幅10000mm×縦4000mmの横断幕の場合
長辺=10000mm、短辺=4000mmのため1枚の生地で製作可。
短辺が4500mmを超えることは少ないと思いますから、ターポリンで製作するものはほとんど、継ぎ目なしで製作できそうですね。
デメリット
メリットの多いターポリンですが、中にはデメリットもあります。それはコンパクトに収納できないという点です。ターポリンは折り畳むと生地に亀裂が入ってしまい、インクが剥げるため、折り畳んでの保管をお勧めしていません。使っていない時は、クルクルと巻いてロール状で保管することを推奨しています。当社から出荷する際もこの状態です。

横幅3000mm×縦1000mmの横断幕をロール状にしても、1000mmより小さくはなりません。トロマットは同じサイズでもコンパクトに折り畳むことができますから、ターポリンとの差は歴然です。
ただし、常設する横断幕であれば、持ち運びや収納の機会がないと思いますので、あまり気にすることはないでしょう。
ターポリンの主な用途
メリット/デメリットを踏まえた上で、ターポリンはどのような使い方に適しているのでしょうか。これまでの実績から、おすすめの用途や場所をご紹介します。
建築現場の養生幕(現場シート)

大きな家や高層ビルを建設するとなると、1〜3年の歳月がかかります。1年以内で破れてしまい、何度も設置するのは手間ですから、耐久性に優れたターポリンがお勧めです。風が強い地域や高層ビルに設置する場合は、通常のターポリンよりもメッシュターポリンが良いでしょう。
建築現場でのアピール、問い合わせを増やしたいという方は、↓こちらのページもご覧ください。
学校の横断幕

学校の前を通ると「祝・全国大会出場 ●●さん」と書かれた横断幕を目にしますよね。地域の方や通行人へのアピールもできますし、当の本人もこれほど嬉しいことはありません。1年程度は掲示していることが多いので、このような横断幕の約8割がターポリンで作られています。
生徒を応援するために横断幕を作りたい!という方は、↓こちらの記事もご参照ください。
店頭の垂れ幕(懸垂幕)

飲食店では、看板代わりに垂れ幕を設置している店舗を見かけます。和食屋さんは、綿風の素材を好む方も多いですが、それでも一番の人気生地はターポリンです。ターポリンは色褪せこそあるものの、3年程度はご使用いただけますから、お店の顔として存分に活躍してくれるでしょう。
飲食店の垂れ幕については、↓こちらの記事でも紹介しています。併せてご覧ください。
初めての製作で不安な方へ
ここまでの内容で、何となくはターポリンが理解できたものの「手元に届くまで商品が見れないのは不安」「実際の生地を見てみたい」と思っていらっしゃる方は多いと思います。
そんなあなたのために、当社では生地の見本帳を用意しています。ターポリン以外にも、旗・幕ドットコムで扱う8種類の生地を一冊にまとめた資料です。

横断幕や懸垂幕と同じ印刷方法で作っているので、製品が届いた時の"思っていたものと違った"が防げそうですね。会員登録をすれば無料ですから、ぜひお気軽にご請求ください♪
まとめ|ターポリンってどんな生地
本記事では「ターポリンがどんな生地か知りたい!」という方に向けて、特徴やメリット/デメリット、お勧めの用途をご紹介しました。
ターポリンは持ち運びには向いていない素材ですが、耐久性が高く、横断幕や懸垂幕、現場シートとしてはとても人気の生地です。これらの製品を検討しているあなたに、少しでも有用な内容であれば嬉しいです。
「こんな使い方をしたいんだけど、ターポリンで良い?」といったご質問は、注文前であっても大歓迎です!気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
お客様の要望をベースに作り上げていく、オリジナルののぼりや旗、幕、のれん、看板を、6つのインターネットショップを通じて受注、全国に製造販売。
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