教えて!Q&A
旗の生地はツイルしかないのでしょうか?他の生地でも製作できるのでしょうか?天竺やエクスランがいいと書いてあるHPもありますが。
おっしゃる通り、旗の生地には多くの種類があり、 どれを一番にお薦めするかは製作会社によって違います。
当店でも、お客様のご要望によっては 稀にツイル以外の生地で製作したりすることもあります。
ただ当社には長年の実績として、また検証してきた結果、
強度的にも色の変色退色に関してもツイルが一番というデータがありますので、この生地を一番にお勧めしています。
確かに天竺やシャークスキンなどの綿生地をお勧めしたりしているところもありますが、
それは今のようにポリエステルなどの合成繊維がメインになる前の話。
当時はそれしかありませんでしたから、旗生地の主流は天竺。それよりワンランク上という場合はシャークスキン。
そういう図式でした。
しかしながら、今やそれらを使う理由が全くございません。
なぜならツイルの方が
1.生地が丈夫である(合成繊維と天然の違い)
2.光沢がある(人によって好き嫌いはあります)
3.発色が良い(ポリエステルと綿の違い)
4.日光堅牢度(耐候性)や耐水堅牢度(耐水性)が強い(染色方法というか染料の違い)
5.フルカラーやグラデーション等デザインや色数の制約がなく簡単にできる(染色方法の違い)
6.製作コストが安い(染色方法の違い)
からです。
4.から下のツイルの優位性は、ひとえに製作(染色)方法の違いによるもので、
天竺やシャークスキンなどの綿製品は反応染め、ツイルは昇華転写捺染というデジタル染色だからです。
当社がなぜ本染めではなく、昇華転写をお勧めするのか、
コチラのQ&Aで詳しくご説明していますので併せてご覧ください。
「本染め」と「昇華転写捺染」で、見た目に違いはありますか?
生地自体の強さで合成繊維であるツイルに匹敵する綿生地をあげるとすれば
それは天竺やシャークスキンよりも厚くて丈夫で高級な9Aクラスです
(但し9Aは、ごつすぎて風になびくことを前提とする旗としては不向きです)。
エクスランが一番強いと薦めているサイトもあります。
確かにそれは事実で、エクスランは生地としては最も強いです。
東京オリンピックの時、ナイロン、ポリ、エクスラン等の中でどれが最も強いか、
富士山頂での強度実験が行われ、その結果採用されたというのは今でも語られるエピソードです。
以来最も強く高級な旗生地として、今でも入札の市旗・国旗などはエクスランが多いです。

しかし逆に言うと高級過ぎて、市旗・国旗・船旗以外はほとんど使用されることがありません。
と言うのも、エクスランの本染めはカチロン染色といって非常に特殊でできるところも数少なく、
私が知ってるだけでも3社程度です。
そんなエクスランでも、耐候性(色持ち)に関しては、
色にもよりますが、ツイルと比べて同等、そういう認識です。
決してツイルが劣ってはいないと思います。
その上、エクスランはフルカラーやグラデーションが出来ません。にも関わらず非常に高価です。
やはりツイルの方が、
5.フルカラーやグラデーションなど、デザインや色数の制約がなく、簡単にできる
6.製作コストが安い
7.コストパフォーマンスが高い
のです。

ところで、社旗のような旗に求められる要素は何も『耐久性』だけではありません。
むしろそれ以上もしくは同等に、『なびきやすさ』も重要なポイントです。
しかし残念なことに耐久性を重視すれば自ずと生地は厚いものになって重くなり、風になびきにくくなりますし、
逆に軽いと風にはなびきますが耐久性が心配になります。
実はこの相反する要素を満たすことができるのが、ツイルなのです。つまり、
軽くて風にもなびきやすく、
一見弱そうに見えて実は丈夫に織られた生地で、
その上高級感もあり、また圧倒的にしわがいきにくい!
それが、ツイルです。
参考までにツイルの、生地としての物性を申し上げますと、
よくガソリンスタンドやパチンコ店、その他多くのお店の前に立っている「のぼり旗」ってありますよね?
あの生地として最もポピュラーなのがテトロンポンジという生地で、
そのテトロンポンジの糸の太さの約2倍の糸で織られた生地で抜群の耐久性を持つと言われているのがトロピカル。
そのトロピカルと同じ糸を使って、しかもトロピカルの1.3倍の密度で織ったものが、 このツイルという生地なのです。
いかに丈夫に織られた生地なのか、イメージしていただけましたでしょうか?
以上の理由から当社では、ツイルは社旗や団旗、部旗、クラブ旗のような、屋外で使われる旗に最適だと考え、
お客様に自信を持ってお勧めしている次第です。
ただし、天竺やシャークスキン等他の生地と比べて相対的に優位ということであって、
決してどんな環境下でも万能であるわけではありません。
風の強いところだとすぐにほつれてきたりすることもあります。それはご承知おき下さいね。
もし風が凄くきつい等、旗にとって厳しい環境下でのご使用の場合は、
補強縫製をご案内していますので、よろしければこちらの記事もご覧下さい。
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